MAME 0.253出た

今回は1ヶ月で0.253がリリースされました。What’s New日本語訳はこちら。確かにハイパーネオジオ64がかなり完成されてきています。

MAME 0.253のリリースがやってきましたが、エキサイティングなアップデート内容の前に、MAME のコンパイルやパッケージングに関わる事柄があります。まず、libc++ 6 のサポートが終了しました。まだ、clang 6 でコンパイルすることはできますが、C++ 標準ライブラリには libc++7 以降、または GNU libstdc++7 以降を使用してください。次に、MAMEの正常動作には、C++ としてコンパイルされた Lua が必要になりました。これは、Linux ディストリビューションのパッケージリポジトリにある Lua ライブラリが C としてコンパイルされているため、その使わないようにするものです(この変更の技術的な理由は、C++ コードから Lua エラーが発生したとき、デストラクタ呼び出しを含め、C++ のスタックフレームを正しく巻き戻すことが MAME に求められるためです。C言語としてコンパイルされたLuaを使用すると、リソースリークが発生します)。

Lua 5.4 にアップデートすることでガベージコレクタが一新され、パフォーマンスが向上しました。スクリプトやプラグインを書く人への影響は最小限に抑えることができるたはずです。目に見える大きな変更点としては、unpack が table.unpack に変わり、非推奨の bitlib が削除されたことが挙げられます。Lua の話をしているついでに、新しい MAME Goodies リポジトリにも注目してください。ここには、MAME 用コンテンツを追加していきます。今のところ、2つのプラグインがあり、1つはコナミのアーケードリズムゲームのファンにきっと役に立つはずです。また、MAME の Lua スクリプト機能を使ってできることを知りたい人用のサンプルコードとしての役割もあります。

長い間噂されていたマイクロコードベースの Motorola 68000 CPU コアがついに追加されています。このコアはすでに結果を出しており、以前は手の届かなかったAtari ST のデモが数多動作するようになっています。集中テストをすでに行っていますが、おそらくまだリグレッションが潜んでいることでしょう。もし、あなたのお気に入りの 68k ベースのゲームの調子が悪そうでしたら、ぜひお知らせください。

今月のエミュレートされたシステムで興味深いものとしては、無防備な女子を捕食する狼を狙撃するという1983年のアーケードゲーム「赤ずきん」があります。また、データイーストの「デスブレイド / Mutant Fighter」の初期バージョンで、「Heroes」という普通なタイトルのゲームもあります。さらに、バンダイの「レースタイム」、Tigerの「Punch Your Light Out」、Tryomのバックギャモンとチェス3種類など、動作可能な電子玩具も追加されました。より本格的な感じならば、ブラザーのワープロ専用機 LW-30 と LW-840ic のサポートや、ソニー NWS-3410 UNIX ワークステーションも動いています(ただし、フレームバッファがないので、シリアルターミナルを使う必要があります)。皮肉な名前の Vector 4 S-100 バスコンピュータも動作可能です(Vector Graphics 社はベクターグラフィックス機能を持つシステムを販売したことがない)。

先月のリリースに続き、Hyper Neo Geo 64 のゲームはこれまで以上に表示関係が改善されています。テクスチャリングとタイルマップで多くの問題が解決されました。Taito F3 のビデオエミュレーションでも一部エフェクトが修正され、特に「ランドメーカー」では顕著です。また、Apple IIgs のループやリトリガーサンプルに関する問題が修正、PCエンジン CD オーディオ再生の問題修正で、一部のゲームがクラッシュせずプレイできるようになりました。また、オーディオチップのクロック周波数を修正することで、「スノーブラザーズ2」や「のぼらんか」などのシステムで音程を修正しました。

いつものように、ここで話したものよりもはるかに超えるものがありますが、whatsnew.txt ファイルですべてを読むことができます。ソースコードと64ビットWindowsバイナリパッケージは、ダウンロードページから入手できます。

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