オフィシャル MAME 0.231 がリリースされました。【更新】 What's New 日本語訳はこちら。
ひとまず、公式サイトのリリース文章によりますと、
4月のリリース、MAME 0.231がでたよ!ヤマハ製 FM 音源では OPL ファミリー(YM2413、YM3526、YM3812、YMF262、Y8950)の書き換えが進んだのだ。前のリリースでいろいろ起きていた問題もほとんど修正されてるけど、もしこれらのチップを使っているシステムで気づいたらことがあればぜひ教えてほしい。今月は、70年代後半に発売された、サン電子の激レアゲーム「ワープ1」が追加されたぞ。 このゲームは初期の後方視点タイプ宇宙シューティングの一本といえるね。
「魂斗羅」はエミュレート当初から 3D ステージが簡単すぎだったんだけど、原因はコナミが VRC & DMP と呼ぶ Konami 007452 チップの動作だったんだ。VRC は Virtual ROM Controller の略で、ROM バンク制御器であることがわかっていたけど、DMP の部分はナゾに包まれいて、ある種のプロテクト機能ではと思われてきたものだ。これが今回、furrtekさんによってある種の除算・乗算プロセッサであり、6809 ファミリーのデュアル CPU 搭載ゲームではとても使えないくらい遅い16ビット演算を行うものだと突き止められたよ。良いニュースはゲームの動作が正しくなったこと、悪いニュースはゲームが難しくなってもっとやられてしまうことかな。
David “Haze” Haywood 氏も、これまで正しく動いていなかったゲームの修正を行っているぞ。まずは SNK の「ビーストバスターズ」と「メカナイズドアタック」のグラフィックプライオリティの修正、セイブ開発の「ショットライダー」のタイミング改善、ミッチェルの「ファンキージェット」のレイヤーオフセット修正、プロテクトされたアルゼンチン製のメガドライブ海賊版を2本サポートなどだ。最近、David氏は MAME のゲームセッションをストリームしていて、日陰なゲームをよくハイライトしているのだ。これまでのストリームは YouTube のチャンネルで見ることができる。それから、大忙しだったのが sasuke 氏で、ニチブツの 1412M2 DAC の再生レートとタイマー周期の計算を改良。「マイティガイ」のサウンドで改善が特にわかりやすい。他にはタイトーの「サイクルマー坊」をプレイ可能にしているぞ。
ここではとりあえずこれくらいだけど、すべての追加項目、バグ修正、改善などは whatsnew.txt ファイル を確認してほしい。64ビットの Winodws バイナリパッケージとソースはいつもどおりダウンロードページからゲットしよう。
で、今回アーロンさんの FM 音源がさらに進んでいます。What's New で一箇所にまとまっているので一度みてみると面白いかもです。
あと、エンパイアシティ1931のBGMと効果音の音程について、うちのサイトからかなり昔に報告したものが一応解決してます(バグレポートはこちら)。一応といったのは、実際にはハックによる解決で、プログラム的にはプリスケーラの指定はどこにもみつからなくて、ドライバの初期化時に無理やり変更してます。
これは、「YM2203の音程が1.5MHzのクロック周波数では低すぎる、4.5MHzじゃないと正しくない」、というものなんですが、基板構成的に1.5MHzしかないので、いままでは無理やり 4.5MHz が指定されていました。でもこれだとPSGが高すぎます。
実はYM2203 にはプリスケーラ(分周)設定があって FM 用入力クロックに対し1/6(デフォルト)、1/3、1/2が使えます。 PSG も考えると1.5MHz * 1/2 が正解なのですが、どのようにこの設定が変更されているのかが長年の謎となっています。なにか情報などあれば開発チームがたいへん喜ぶと思います。