2025年のニュースアーカイブ(8件)(1/1 ページ)

MAME 0.281

オフィシャルMAME 0.281が出ました。

光陰矢の如し、もう MAME 0.281 のリリースです。まず最初は、ARM ベースのノート PC が急増してきたことにともない、Windows 10 以降の 64 ビット ARM 版バイナリを提供しようと思います。ほとんどの MAME 開発者はまだ x86-64 システムを使っているので ARM システム特有の問題にエンカウントするかもです(このことは、Apple M シリーズ CPU や ARM ベースの Linux システムで MAME を動作する場合にも当てはまります)。 問題を報告するときは、OSや CPU ファミリを記載するようにしてください。ARM CPU といえば 64 ビット ARM リコンパイラのバックエンドにあったバグの修正と、パフォーマンスの改善をさらに行っています。Hitach SuperH と Hyperstone E1 CPU をエミュレートするシステムで効果があります。

今月はソフトウェアリストで大きな更新がありました。オリジナルフロッピー、カセットの吸い出し、モダンホームブリューリリースが多く追加されています。ソニーの NEWS ワークステーションの動作可能機種が増えています。もしこれらをプレイするときは、ビデオ出力が未動作なのでエミュレートされたネットワークインタフェース越しにアクセスしてください。IBM RTPC エミュレーションも着実に進んでいます。Akai 製 MPC サンプラや、SNK ハイパーネオジオ 64 などで使われているサウンドチップのエミュレーションが改善されていますが、まだ初期段階です。

いつものように、今月の変更内容は whatsnew.txt ファイルで確認できあます。ソースコードや 64 ビット Windows バイナリパッケージはダウンロードページから入手できます。

なお余談ですが、今年はマイコン・インフィニット☆PRO-68K に参加予定です。ブースのどこかで佇んでいるかもしれません、よろしくお願いいたします。

MAME 0.280出た

オフィシャルMAME 0.280が出ました。

あれから1ヶ月、そう MAME 0.280 リリースの時間です。今月追加された注目の1本は、コアランド/セガによる1986年のアーケードゲーム「119」です(これは日本の消防救急番号にちなんでます)。あと、ナムコシステム23エミュレーションをウォッチしていた人には、さらに多くの表示ハードウェア機能がエミュレートされたのがわかるはずです。コナミの「ゴルフィンググレイツ」のサウンド系の問題もついに正しい方法で修正されました。

Acorn製の BBC Micro エミュレーションの改善、テレビゲームやハンドヘルドマルチゲームの動作追加、プレイ可能なギャンブルシステムの大量追加などもあります。メガドライブのエミュレーションも改良され、同システムで動作が不安定なタイトルの問題が解決しています。さらには、アーケードゲームの多くの表示系問題も多く修正されました。

過去数週間の作業内容は全て whatsnew.txtファイル で確認できます。ソースコードと 64 ビット Windows バイナリパッケージはダウンロードページから入手できます。

MAME 0.279出た

オフィシャルMAME 0.279が出ました。

MAME 0.279 がついに出ました!今月は、最近のリリースでの改良を元にして、セガモデル2ゲームで正しいライティングやロジックの修正がされています。また、Philips CD-i エミュレーションも改善が続いておりまして、カーソルの動作や XA オーディオが修正されました。目に見える系の話題といえば、初期のZX Spectrum モデルでビデオ RAM アクセスとメモリリフレッシュサイクルがガッチンコすることで起こる"スノー"エフェクトがエミュレートされています。コナミやアイレムゲームでの表示問題もいろいろ修正されまして、ナムコシステム23ゲームの一部もグラフィックがすこぶる改善されたのです。

今月は、V.R. Technology 製の NES にインスパイアされたチップサポートが進み、これら格安ゲームがまもなく動作しそうです。また、Mac のエミュレーション改良については、殊に PowerBook Duo サブノートや、Apple IIgs などにおいて顕著であります。カシオ FZ-1および関連するサンプリングシンセでは、暫定的なサウンド出力が可能となりました。シャープ MZ-5500 コンピュータも動く兆しを見せていますがエミュレートはかなり不完全です。

毎度ながら、今月の変更内容は whatsnew.txtファイル を見ましょう。ソースコードと 64 ビット Windows バイナリパッケージはダウンロードページから入手できます。

MAME 0.278出た

サウンドシステム大改良のため1ヶ月のスキップでしたが、オフィシャルMAME 0.278が出ました。モデル2とタイプゼロシステムの改善が大変顕著で特筆すべきものとなっています。セガラリーやハウスオブザデッドなど。ミニ筐体出てほしいわ、ミニメガロとか。

2ヶ月の長いブランクを経てついに MAME 0.278 ができました。もちろん、サウンドシステムが新しくなったのがビッグニュースといえるでしょう。新機能はイカの通り:

  • Windows では WASAPI、Linux では PipeWire をネイティブサポート
  • マイクなどの音声キャプチャデバイスを持つサウンド入力システムをエミュレート
  • マルチチャンネルのオーディオ入出力サポート
  • パラメトリックイコライザー、ダイナミックレンジコンプレッサなどのビルトインエフェクト
  • サンプルレート変換品質向上。ミキシング改善。レイテンシ低減

今回は新コンポーネントのリリース第一弾のため、まだ不完全な部分が残っていますが、今後数ヶ月かけて改善していく予定です。

さて、サウンドシステムの開発で大忙しではありましたが、エミュレーションの開発ももちろん進んでいます。Sega Model 2、Taito Type Zero などの 3D システムのグラフィックでナイスな改良がされています。しかし 3D だけでなく 2D なクラシックにも愛が注入されています。Konami ゲーの多くで表示がよりナイスになっており、よく忘れがちなカクテルモードのサポートなども含まれています。さらには、アレな IGS 製麻雀ゲームである「龍虎榜」がついに修正されました。

新サポートシステムも今月は大量でして、1970年代の Exidy や Taito 製アーケード、鉄のカーテンの向こうからやってきた LSI ゲーム、最近吸い出されたテレビゲームもいっぱいとなっています。それに加えて、Gaelco 製のアーケードゲームの追加バージョンが発掘されたりもしてます。その他には、Capcom のレアアーケードタイトル、ワークステーションやシーケンサ、ゲームウォッチ、カジノゲーなどなども来ています。なお、今回のリリースでギャンブル系ゲームのデフォルト入力の割り当てが変更になってるのでご注意ください。

本リリースはコンピュータエミュレーションのアップデートによる多くの喜びが詰まっております。Victor 9000 のフロッピーディスクサポートの大幅見直し、SASI ハードディスクのサポート、Sanyo PHC-25 の止まらない更新追加、POKEY のシリアル通信は Atari 8ビットコンピュータで使われてて、ようやくまともに実装されました。

過去2ヶ月間にわたる MAME の開発アドベンチャーの詳細は whatsnew.txtファイル に記録されています。いつものように、ソースコードと64ビットWindowsバイナリはダウンロードページから入手できます。

MAME 0.277出た

オフィシャルMAME 0.277がでました。 長年あった Konami GX の表示系や、待望の Model 2 の改良などがきています。

MAME 0.277で何が出てくるか気になってましたか? さあ、ここで登場です。まずは、MSYS2 CLANGARM64 環境を使って Windows 11 が動作する ARM ベースのシステムが追加されています。また、サードパーティライブラリにあった、新コンパイラの開発環境で起きていたバグも修正しています。

その他の改善点では、Konami GX のブレンドエフェクトが大幅に改善、Sega Model 2 の 3D ジオメトリ処理の改良、Philips CD-i のグラフィックデコードに残っていた問題も解消しました。また、ファミコン、ワンダースワン、ゲームボーイのタイトルでは、サウンドエミュレーションが改良されているものがあります。細かなものでは、DMX と LinnDrum のパーカッションの違いが聞き取れるかもしれません。

Apple II と Macintosh のフロッピーディスクソフトリストが今月は大更新されています。Macintosh の NuBus カードがオーバーホールされたため、もしあなたの仮想 Macintosh の設定が壊れていたらお知らせください。さらには、Sinclair コンピュータ用のテープなど多くのソフトウェアが追加されました。

ここで取り上げるのは以上ですが、今月もたくさんの内容が開発されています。whatsnew.txtファイルで全て確認できます。ソースコードと64ビットWindowsバイナリはダウンロードページから入手できます。

Model 2 の更新は以下の動画にでています。

MAME 0.276出た

オフィシャルMAME 0.276がでました。PC-88VA エミュレーションは要チェック。

MAME 0.276 のリリースが3月の終わりに滑り込みで、エミュ的なアレも満載です。まずは、何ヶ月か前に追加された64ビットARMv8のリコンパイラのことを覚えてると思いますが、これがさらに高速化しています。このリリースではさらに、Konami GXアーケードゲームとPhilips CD-iソフトの表示系も修正されました。ダイナックス製の中華版や、IGSのギャンブルタイトルも追加されています。また、LinnDrumパーカッションシンセサイザーが、インタラクティブ操作とサウンド出力が追加され動作可能になりました。サウンドというと、一部アーケードゲームのオーディオエミュレーションの問題も修正されています。

PC-88VAのエミュレーションに進展があり、複数のグラフィックモードが修正されました。TI-99コンピュータファミリ用の周辺機器追加、セガ製3DアーケードゲームエミュレーションのCPU/DSP修正もされています。Psion製ハンドヘルド機で、メモリ構成がさらに拡張され、表示が改善しています。CHDの生成、フロッピーディスクイメージ処理、XMLシステム情報出力における問題も修正されました。Windowsユーザはデバッガウインドウをタスクバーとウインドウスイッチチャーにひょうじするオプションが利用できます。

いつものように、whatsnew.txtファイルで今月のエキサイティング開発内容に驚愕できます。ソースコードと64ビットWindowsバイナリはダウンロードページから入手できます。

MAME 0.275出た

オフィシャルMAME 0.275がでております。今月は短めですね。

MAME 0.275が出たよ!今月は短いけども、面白い開発内容がいっぱいです。今回はプレイステーションベースのアーケードゲーム、PowerBook Duoサブノートコンピュータ、ハンドヘルドLCDゲーム、カシオミュージックキーボードがサポートされています。

Amiga 2000で使用されているZerro IIバスで、DMAやエミュレートされたカードの追加を含む改善、コナミ製アーケードゲームの表示不具合修正、Oberheim DMXドラムマシンの完全エミュレート、そしてリコンパイラのさらなる最適化も行われました。

whatsnew.txtファイルで今リリースの作業内容が確認できます。また、ダウンロードページからソースコードと 64ビット Windows バイナリパッケージを入手できます。

MAME 0.274出た

オフィシャルMAME 0.274がでました。公式の一つ前のポストにあるように、Windows版では、x86-64-v2が必須になりました。Nehalem, Silvermont, Bulldozer, Jaguar 以降の CPU とのこと。Sandy Bridge では動かないと。

今日は MAME 0.274 の初体験デーなのです!前回にも触れましたが、Windows 版バイナリで、x86-64-v2 の機能をサポートする CPU が動作に必須となっています。今月の新機能の目玉は、64 ビット ARMv8 里コンパイラバックエンドなのは間違いないでしょう。これは、macOS、従来の Linux、Android でテストを行ってきてまして、MIPS III、PowerPC、SuperH といった RISC CPU システムをエミュレートする際、実にウェルカム的なパフォーマンス向上がみられています。この新バックエンドに加え、既存バックエンドのバグ修正も行い、x86-64 のパフォーマンス改善しています。ただし、実感できるパフォーマンスの改善度合いは、使用中の CPU やエミュレートするシステム、ソフトによって変わるので注意しましょう。

こんな改善の裏側では、エミュレーションの作業も進んでいます。今リリースでは、デジタルペット系の大量サポート、Tronica LCD ゲーム、シンセサイザーが追加されています。CD-i グラフィックフォーマットの修正もされ、フィリップス方面といえば、Minitel 2 端末の表示系も改善されました。NEC µPD17771C エミュレーションの完全なオーバーホールにより、エポック社スーパーカセットビジョンの「スタースピーダー」で特に顕著な改善がみられます。

さらに今月は、コンピュータエミュレーションでも多くの更新があります。第一世代の Power Macintosh システムのエミュレート作業の開始、Heath/Zenigh コンピュータでのハードセクターフロッピーフォーマット対応とジョイスティックサポート、JUKU E5104 のマウスサポート、Silicon Graphics Professional IRIS 4D ワークステーションの動作可能化、さらに Amiga のグラフィックエミュレーションは今回のリリースに間に合わなかったものの改良が加えられています。

いつものように、whatsnew.txt ファイルで今月の開発内容を確認できます。また、興奮が止まらずすぐに試してみたいと思ったら、ダウンロードページからソースコードと 64ビット Windows バイナリパッケージを入手できます。それではまた来月、スリリングな MAME のリリースでお会いしましょう。