2023年のニュースアーカイブ(10件)(1/1 ページ)

MAME 0.261出た

オフィシャルMAME 0.261が出ています。リリースのお言葉は次の通り。いろいろあって遅れました。

2023年最後のリリースはMAME 0.261となります。超良いリリースで今年を締めくくることができました。今回は100件以上のプルリクがマージさえています。いつものメンバーの他に初参加の方からも頂いています。先月に引き続き、カシオ Phase Distortion シンセサイザーが2台追加されています。ハイエンドのキーボード CZ-1 と未リリースモジュール MZ-1です。ヤマハ MU50 XGトーンジェネレータモジュールも、今回のリリースでかなり改善されています。

描画機能を搭載したコンソール機2種類、1987年発売で LJN の VideoArt、2005年発売でセガの「アドバンスピコ・ビーナ」が動作可能です。どちらも子供用知育ゲーム機という位置づけで、描画機能を搭載してはいますが、まったく異なるものです。VideoArt は、操作性の悪さとつまらなさから、人気の Etch-a-Sketch toy と比較で酷評されました。一方で、ビーナは ROM カセットと絵本を組み合わせたメディアを使用し、デュアルペンデジタイザを搭載した高品質なデバイスでした。本機の ARM CPU は MAME でエミュレートするにはかなり負荷が高く、フルスピードで動かすには高速な PC が必要です。現在の絵本のスキャンが不完全なことは把握していますが、一部未エミュレートな周辺機器以外はかなり動作するようになっています。

全く別の話題では、タイトー製のギャンブルゲームやメダルゲームの一部が動作し始めました。これらのゲームの目的はお金を巻き上げることで、ゲーム的な価値は低いかもしれませんが、それでも面白いものです。一部はタイトーの人気フランチャイズのキャラクターが登場するものもあります。ギャンブルゲームといえば、BMC 製の中華麻雀ゲームが吸い出されています。

AVR8 CPU 搭載システムの動作が最大 50% 高速化しました。これは、Uzebox コンソール、Linus Åkesson デモ、自作セガマスターシステムパドルコントローラなどです。ジャレコメガシステム1ゲームで一部のプロテクトに使用されたマイコンの吸い出し方法が最近開発され、「64番街」「ビッグストライカー」のプロテクトシミュレーションコードが廃止されています。また、他のジャレコ製ゲームで使用されているゲートアレイプロテクトの理解も深まりました。さらに、「Super A'Can」の内部でメインCPUの内蔵 ROM を正確に実装し、ブートプロセスがより正確になっています。

アーケードゲームの韓国語版吸い出し、スペイン製海賊版、Mac Quadra/LC 630 ファミリの PDS カードサポート、Heathkit Terminal Logic Board のバリエーション追加、ソフトウェアリストの新規アイテム追加など、このリリースにはここで紹介しきれないほどたくさんのものが含まれています。すべての情報は whatsnew.txt ファイルで、ダウンロードページでソースコードと 64ビット Windows バイナリパッケージをゲットしましょう。

MAME 0.260出た

オフィシャルMAME 0.260が出てました。リリースハイライトは次の通りです。

10月は待望の更新が来たことで、MAME 0.260 がとてもエキサイティングなリリースとなっています。まずは、MAME 自体の全体的なアップデートです。何度かの失敗を経て、Linux 上の Wayland による bgfx ビデオ出力をサポートしました。
またユーザーからのリクエストにもあった、ソフトウェア項目で CHD ファイルの差分をクローンシステムとして使うようになっています。これにより、複数バージョンのシステムやソフトウェアアイテムで、大幅なディスクスペースの節約が可能となります。さらには、PortAudio の更新版も含まれました。

今月は Casio 製のシステムが二種類動作可能に昇格しています。ひとつは、CZ-101 コンパクトキーボードシンセサイザーで、Casio による Yamaha の DX シリーズの特許回避策である Phase Distortion Synthesis を使っています。パッチのロードのため、MAME がエミュレートされた MIDI 入力ポートに対して、SysEx ファイルをフィードできるようになっています。もう一つのシステムは日本だけで主に女子向けにマーケティングされた「ルーピー」です。サウンド出力、ステッカー印刷、フレームグラバーアクセサリはまだ未エミュレートですが、全11本のソフトタイトルをすべて試すことができます。

さらには、韓国製アーケードゲームも追加されています。F2 システム製のソリティアカードゲームで専用コントロールパネルを使用するもので、かなりアレなプリレンダリング 3D アニメーションが特徴です。また、Merit 製のゲームも追加されています。これらの他には、Mac の NuBus や PDS カードのエミュレーション、Acorn Electron 用 Cumana DFS ディスクイメージ追加、MSX Flash カセットのサポートなどもあります。

ハイライトはこれくらいですが、もちろんまだまだ新しいことがあります。今月の更新は whatsnew.txt ファイルで確認しましょう。ソースコードとWindows用の64ビットバイナリパッケージはダウンロードページからゲットできます。

MAME 0.259出た

オフィシャルMAME 0.259がでました。取り急ぎ版のリリースノートです。

MAME 0.259 のリリースが9月末に間に合いました。いつもながら、エキサイティングな内容が満載です。Namco System 12 ゲームで CDXA ボードや CD-ROM ストレージを使ったタイトル、「トラック狂走曲」と面白いけどコケた「ウンジャマ・ラミーNOW!」のサポートを待ってた方に朗報です。これらのサポート作業で、SH-2 CPU の異なるオンボード機器との組み合わせたシステムのサポートがしやすくなりました。さらに今月は Konami LCD ゲーム、Bandai 製 2 人プレイテーブルトップ U-Boat ゲーム、dgPix ハードのアーケードゲーム 3 本が追加されています。

これらとは全く別の方面では、MAME での VME ベースシステムが大幅にオーバーホールされました。バックプレーン、及びカードのシステムがより正確に再現されています。カードについていえば、ZXBUS ストレージインタフェースカードが拡張 ZX Spectrum 派生版に適切なスロットとしてエミュレートされました。その他のカード関係のネタとして、PC のビデオカードの作業が継続中で、Mega Touch XL 6000 のグラフィックの修正が行われています。さらに、こんな話をしている間に X68000 の不具合も修正されてきました。

Macintosh Quadra システムで、ビルトインイーサネットの実装が始まっています。MC68040 ベース Mac のオンボードビデオエミュレーション系バグも修正されました。さらに Apple の話題では、Apple III の動作速度が以前より現実的になっています。また、PowerMac ファミリーの第一世代でも進展が見られています。

MAME でハードセクターフロッピーフォーマットをサポートしました。これは巨大な 8 インチドライブの時代のことで、TD0 フォーマットのディスクイメージ処理にあった問題が修正されています。さらに、フロッピー関連では、Commodore 64 のカセットポートに取り付けられた、評判の悪い TIB Disc Drive DD-001 がエミュレートされました。最後に、CPS-2 ゲーム好きの方は、開発システムにあったと見られるデバッグ用の DIP スイッチを触れるようになっています。

もちろん、今回のリリースであったことはまだまだたくさんあるので、whatsnew.txt ファイルで確認しましょう。ソースコードと64ビット Windows バイナリはダウンロードページから入手できます。

MAME 0.258出た

オフィシャルMAME258がでております。リリースのご案内は以下のとおりです。今回はちょっと薄め。

イェス、MAME 0.258 のリリースですよ!今月も Apple の更新が続いています。68040 CPU 搭載の低コスト Macintosh シリーズがサポートされ、サウンド再生の問題も修正されています。初期の Macintosh でも フロッピーディスクソフトリストが2本追加、初期の CD-ROM ドライブサポートの改善で、Apple II や Macintosh 用のマルチメディアソフトが動作可能になっています。さらに、Apple III の修正もされています。

他のコンピュータでは、シリコングラフィックスのワークステーションの作業は継続中で、Personal IRIS 4D ファミリーが動作可能になっています。ZX Spectrum ファミリーが、Scorpion, Ltd. の強化版クローンによりさらに充実し、様々な PC ビデオ、サウンドカードで作業が続いており、これらの高度な機能を使用するソフトウェアが動作可能になっています。
今月は、Sound Blaster ISA カードを使用したときのサンプル再生が改善されたことに気づくかもしれません。さらに、以前はサウンド再生時に固まっていたソフトも動作するようになったものがあります。

Namco System 12 のクイズゲーム2本「ダービークイズ マイドリームホース」「開運クイズ・幸福の旅人」が動作可能になっています。また、サウンドハードが異なる「影の伝説」、「ドギューン」のロケーションテスト版、「魔界村」の既存バージョンの中間版が追加されています。また、プレイ自体はあまりできませんが、サターンベースハードのキッズライド「わんぱくサファリ」も追加されました。

いつものように、この1ヶ月で起きたことはこれだけではありません。whatsnew.txt ファイルで内容をチェックして、ダウンロードページからソースコードと 64 ビット Windows バイナリパッケージを入手できます。

MAME 0.257出た

オフィシャルMAME257がリリースされています。リリースのご案内は以下のとおりです。

月末が来たらそれは MAME 0.257 のリリースですね。まず最初に、今月は特にソフトウェアリストの大型更新がいくつかきています。ZX Spectrum とテープ、そして MSX のカセット追加が大量です。さらに、Infocom、MECC、Stickybear、Timeout などのタイトルを含むオリジナルの Apple II フロッピーも吸い出されているので、これらを試すなら、エミュレートドライバを正しく設定しているか確認しましょう。Apple といえば、68040 CPU を搭載した Macintosh がついに MAME で動作可能ステータスになり始めました。1990 年代初頭の Quadra、Centris、LC モデルの追体験の準備にかかりましょう。

長年の謎ゲームといえばカプコンの「必殺!無頼拳 / Avengers」。このゲームではロジックのかなりの部分がメイン CPU で動作していないことがわかっていましたが、どのような実装なのか長年謎でした。そしてついに、カプコンのアレな人たちが回路基板上のサウンドモジュールの裏側に8751 マイコンを実装していたことが判明したのです。Phil Bennett 氏が去年それを見つけるまで、そんなところに隠されていることに気づきませんでした。その後、マイコンを調達し、Caps0ff 氏によって内部プログラムが取り出されたのです。残念ながら、データは少し破損していましたが、パッチを適用して MAME で動作しています。このおかげで、昔のシミュレーションコードを削除し、ゲームのオリジナルロジックをより正確に再現できるようになりました。

今年のアップデートを追いかけている人ならば、16ビットの Psion ハンドヘルドコンピュータ関係の動きに気づいているかもしれません。今回、かなりのタイトルが動作可能に昇格していて、Series 3 クラムシェル PDA や、Workabout データエントリターミナルなども含まれています。もちろん、Psion Solid State Disk メディアのソフトウェアリストもあるのでぜひお試しを。同じ世界の片隅からは、Bellfruit 製の "Black Box"電気機械式ギャンブルマシンプラットフォームが追加されています。ゲームは動作不能ステートですが、シャツを失う心配をせずに、リールを回すことができます。
今回のリリースには、タイトーの「Change Lanes」のオーバーホールや、Linux での Qt 6 ビルドサポートなど多くのネタが満載です。変更内容はすべて whatsnew.txt ファイルで確認できます。ソースコードと64ビットWindowsバイナリパッケージは、ダウンロードページから入手しましょう。

MAME 0.256出た

公式MAME256がリリースされました。リリース文は以下の通り。

そう、もう一年の真ん中 MAME 0.256 のリリース時期なんです。今月も、とてもレアでエキサイティングがアレがいっぱいです。先月追加されたラリーのレースゲーム「Top Driving」は覚えてますでしょうか?今月は、「Motal Race」という初期版のさらにレアな同じコードベースのタイトルが見つかり、吸い出されました。Gamete 製のレアなカセット「Mighty Boxer」も発見されて吸い出し完了しています。これにより、過去にリリースされた Gamete 製ゲームはすべてカバーされました。「太鼓の達人RT 日本の心」が吸い出され、Namco System 10 コレクションがより完成に近づいてます。人気シリーズの番外編となる本作は、病院や老人施設などにデザインされていて、コインは使用せず、簡単な曲が特徴です。「ターボサブ」のプロトタイプ 4 バージョンも吸い出されて追加されました。

コンピュータでは、特に MSX と ZX Spectrum 用のソフトリストが大幅に追加されました。さらに、Heathkit H89 は十分に動作するようになり動作可能マークになってます。また、エミュレートされた Apple II コンピュータに ROM カードを追加できるようになったり、TRS Color Computer ファミリで FLEX が動作可能となりました。

さらには、Taito F3 の表示不具合修正や、Sharp X68000 のレイヤーミキシング改善など多くのエミュレーションの改良もあります。舞台裏では、MOS 6502 と Hitachi H8 CPU ファミリのウェイトステートサポートの作業が行われたり、コードの効率化を行うための変更もされています。

いつものように、今月の変更内容はすべて whatsnew.txt ファイルで確認できます。ソースコードと64ビットWindowsバイナリパッケージは、ダウンロードページから入手しましょう。

MAME 0.255出た

MAME 255 のリリースです。今回は約20年ぶりのシリコンバレーからお送りしています。サンタクララにいるので誰か遊んで。

待望の MAME0.255 のリリースです!4月のブレイクスルーに続き、ナムコシステム10で MP3 オーディオがサポート、「ゴルゴ13 銃声の鎮魂歌」「青春クイズ カラフルハイスクール」「つっこみ養成ギプス ナイス★ツッコミ」が完全にプレイ可能です。また、「ガンバリィーナ / Point Blank 3」が動作可能となり、「銃武者羅」を正しく吸い出しました。リズムゲームがお好きな方は、「ポップンミュージック」の半数以上のタイトルが動作可能になっています。今月は、コナミの「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」2本、Tronica製の「Super Goal Keeper」、トミー製のスポーツテーマゲーム2本など、たくさんの液晶LEDゲームが追加されました。

モトローラ 88000 CPU アーキテクチャをご存知でしょうか?知らなくても不思議ではなく、ライバルであるMIPS、SPARC、POWERのように市場進出を果たすことはなかったのです。しかしこれにより、88100 CPUを搭載した2種類のオムロン製ワークステーション、Luna 88KとLuna 88K²が動作可能になりました。まじクールです。このリリースでは、1990年代前半に発売されたPsion HC 100シリーズのハンドヘルドコンピュータもサポートしています。これらのデバイスは、ポータブルなデータ収集端末としてニッチな存在となりました。ZX Spectrum の末裔である Sprinter Sp2000もサポートが始まり改良が続いています。

もちろん、ソフトウェアリストの追加、バグ修正、一般的なエミュレーションの改善など、他の変更ももりだくさんです。今月の開発冒険ログについては、whatsnew.txt ファイルですべて読むことができます。ソースコードと64ビットWindowsバイナリパッケージは、ダウンロードページから入手しましょう。

MAME 0.254出た

定期リリース公式 MAME 0.254 がリリースされました。期待が高まる今回のトピックは以下の通り。
【更新】What’s New日本語訳はこちら

ここ最近の記憶の中では一番期待度MAXなリリース、MAME 0.254です!そうです、ついに来ました。まず最初は、ナムコシステム10の大量エミュレートから。エミュレーション、暗号解読、フラッシュメモリチップの吸い出し方法確立など、世界の猛者によるリアルチームワークで実現ししています。ナムコの「ミスタードリラー2」「ミスタードリラーG」、そしてスピンオフの「スタートリゴン」をエンジョイできます。システム10には、ミッチェル社最後のアーケードタイトル「銃武者羅」と「このeたこ」、メトロ製のミニゲーム集「GAHAHA一発堂」が2本、2in1の麻雀牌パズルゲーム「撃牌砦 / 雀スペース」、その他の動作可能なナムコゲームは「ことばのパズル もじぴったん」「パニクルパネクル」「宇宙大作戦チョコベーダー コンタクティー」が収録されています。

動作不可に設定されているシステム10のタイトルでも、すでに多くはプレイ可能です。「太鼓の達人2、4、6」は動作はしますが、MAME の PlayStation エミュレーションのタイミング精度が確定していないことから、リズムゲーム系は今のところ不完全としています。光線銃ゲーム「ゴルゴ13 -銃声のレクイエム」はプレイ可能ですが、現時点ではサウンドとボイスが鳴っていません。次に、近い関係にある WIDEISM SP-02 プラットフォームのコインプッシャーが動作するようになっています。いろいろなアニメーションを起こすことができますが、ゲームプレイ自体はありません。

もちろん、アップデートされたのはナムコシステム10だけではありません。GEW7 CPUベースのヤマハキーボードが10台近く動作しています。これらのサウンド合成機能がセガのアーケードゲームに使われているMultiPCMチップと密接な関係があるのは、かなり興味がそそられます。他には、SNK初期の「マイコンキット」シリーズのゲームが1本吸い出されてエミュレートされました。ブラザー製ワープロ2台、Liberty Electronics製のシリアルターミナル2台がさらに動作しています。

ケイブCV1000のゲームで、ブリッタパフォーマンスがよりリアルに改良されています。これは、アーケード体験を再現するための微調整が不要になったことを意味しています。さらには、ナムコのシステム23で使用されているR4650 CPUのメモリ管理ユニットをエミュレートすることで、「タイムクライシス2」のクラッシュが解決、SGIワークステーションエミュレーションの修正でIRIXが再び動作可能、PCエンジンとバーチャルボーイゲームに影響するいくつかのバグ修正、コナミのクラシックなアーケードゲームにおける特定のサウンドエフェクトの問題修正などがされています。

こちらのコーナーはこれくらいにしておいて、今月のリリースに含まれる完全な変更内容は whatsnew.txt を参照してください。.ソースコードとWindows用 64 ビットパッケージはダウンロードページからゲットできます。

MAME 0.253出た

今回は1ヶ月で0.253がリリースされました。What’s New日本語訳はこちら。確かにハイパーネオジオ64がかなり完成されてきています。

MAME 0.253のリリースがやってきましたが、エキサイティングなアップデート内容の前に、MAME のコンパイルやパッケージングに関わる事柄があります。まず、libc++ 6 のサポートが終了しました。まだ、clang 6 でコンパイルすることはできますが、C++ 標準ライブラリには libc++7 以降、または GNU libstdc++7 以降を使用してください。次に、MAMEの正常動作には、C++ としてコンパイルされた Lua が必要になりました。これは、Linux ディストリビューションのパッケージリポジトリにある Lua ライブラリが C としてコンパイルされているため、その使わないようにするものです(この変更の技術的な理由は、C++ コードから Lua エラーが発生したとき、デストラクタ呼び出しを含め、C++ のスタックフレームを正しく巻き戻すことが MAME に求められるためです。C言語としてコンパイルされたLuaを使用すると、リソースリークが発生します)。

Lua 5.4 にアップデートすることでガベージコレクタが一新され、パフォーマンスが向上しました。スクリプトやプラグインを書く人への影響は最小限に抑えることができるたはずです。目に見える大きな変更点としては、unpack が table.unpack に変わり、非推奨の bitlib が削除されたことが挙げられます。Lua の話をしているついでに、新しい MAME Goodies リポジトリにも注目してください。ここには、MAME 用コンテンツを追加していきます。今のところ、2つのプラグインがあり、1つはコナミのアーケードリズムゲームのファンにきっと役に立つはずです。また、MAME の Lua スクリプト機能を使ってできることを知りたい人用のサンプルコードとしての役割もあります。

長い間噂されていたマイクロコードベースの Motorola 68000 CPU コアがついに追加されています。このコアはすでに結果を出しており、以前は手の届かなかったAtari ST のデモが数多動作するようになっています。集中テストをすでに行っていますが、おそらくまだリグレッションが潜んでいることでしょう。もし、あなたのお気に入りの 68k ベースのゲームの調子が悪そうでしたら、ぜひお知らせください。

今月のエミュレートされたシステムで興味深いものとしては、無防備な女子を捕食する狼を狙撃するという1983年のアーケードゲーム「赤ずきん」があります。また、データイーストの「デスブレイド / Mutant Fighter」の初期バージョンで、「Heroes」という普通なタイトルのゲームもあります。さらに、バンダイの「レースタイム」、Tigerの「Punch Your Light Out」、Tryomのバックギャモンとチェス3種類など、動作可能な電子玩具も追加されました。より本格的な感じならば、ブラザーのワープロ専用機 LW-30 と LW-840ic のサポートや、ソニー NWS-3410 UNIX ワークステーションも動いています(ただし、フレームバッファがないので、シリアルターミナルを使う必要があります)。皮肉な名前の Vector 4 S-100 バスコンピュータも動作可能です(Vector Graphics 社はベクターグラフィックス機能を持つシステムを販売したことがない)。

先月のリリースに続き、Hyper Neo Geo 64 のゲームはこれまで以上に表示関係が改善されています。テクスチャリングとタイルマップで多くの問題が解決されました。Taito F3 のビデオエミュレーションでも一部エフェクトが修正され、特に「ランドメーカー」では顕著です。また、Apple IIgs のループやリトリガーサンプルに関する問題が修正、PCエンジン CD オーディオ再生の問題修正で、一部のゲームがクラッシュせずプレイできるようになりました。また、オーディオチップのクロック周波数を修正することで、「スノーブラザーズ2」や「のぼらんか」などのシステムで音程を修正しました。

いつものように、ここで話したものよりもはるかに超えるものがありますが、whatsnew.txt ファイルですべてを読むことができます。ソースコードと64ビットWindowsバイナリパッケージは、ダウンロードページから入手できます。

MAME 0.252出た

ひと月休みで今年最初の MAME がリリースされました。 68000 CPUの大幅更新などはまだ入ってません。What's New日本語訳はこちらから

約2ヶ月ぶりですが、2023年初のリリースとなる MAME 0.252 の準備ができました!お約束通りの大きなアップデートが複数りましたが、その一部は MAME の設定調整が必要になるかもしれません。特に MAME が入出力(ビデオ、サウンド、コントローラなど)を処理するモジュールで、多くのバグとリソースリークが修正されクリーンアップされています。

まず最初に、BGFX ビデオモジュールの全面的な見直しがされています。アートワークのレンダリングに影響がある多くの問題が修正、フルスクリーンモード切り替えでのクラッシュも解消しています。また、エミュレートされた各システムの CFG ファイルにBGFX ビデオ設定を保存するようになりました。

ゲームコントローラの処理もオーバーホールされましたが、デメリットとして、MAME の入力関係を再設定する必要があるかもしれません。一方で、サポートするコントローラが大幅に増加して、デフォルト入力の割り当てを改善したことで、調整なしですぐに使えるようになっています。

  • Windows ユーザでは、ギター、DJ Hero のターンテーブル、Rock Band キーボードなど、XInput 製コントローラが完全にサポートされました。
  • ラブリーな macOS や Linux など、SDLビルドを使用しているユーザでは、SDL ゲームコントローラ API を使用した新型のジョイスティック入力モジュールができました。これは一般的なゲームパッドの割り当てを統一して行い、デフォルトが合わないときは独自ボタンや軸の割り当てスキームを提供することができます。旧来の動作が必要なときは、mame.ini ファイルで joystickprovider の設定を sdljoy にするだけです。
  • すべてのユーザに対しては、ゲームコントローラを使用した MAME UI のナビゲーションを改良しています。さらに、より多くのゲームパッドのデフォルト入力割当も改善されました。

もちろん、エミュレーションの作業も続いています。新規サポートシステムは、NABU PC (カナダの8ビットホームコンピュータとケーブルネットワーク端末)、I-Star Chess King (台湾製の怪しい品質なハンドヘルドチェスコンピュータ)、コンピュータオセロ (任天堂の初期のビデオゲームの1つ)、Yoyo Spell (アーケードゲーム Little Robin のプロトタイプ)、激レアな英語版 SegaSonic Cosmo Fighter (Sega World Sydney で以前運用されていたユニットから吸出し) そして Saturn:Space Fighter 3D (データイースト製「スペースインベーダー」の亜種) などです。

MSXの更新も止まりません。今回のリリースでは MSX-DOS2 と RAM 拡張カートリッジがサポートされました。Hyper Neo Geo 64 では、2D および 3D グラフィックの両方で嬉しい修正がされ、次リリースではより多くの修正がきそうです。さらに、Apple II の表示系でも多くの改良がされたり、S3 ViRGE が Windows 98 で 256 色モードが動作するところまで到達しています。

このコーナーではここまでですが、2ヶ月分の変更点については whatsnew.txt で確認できます。また、ダウンロードページからソースコードと 64bit Windows バイナリパッケージもダウンロードできます。