少し前の更新になりますが、Charles MacDonaldさんがデコカセのドライブとその吸い出し方について解析されています。
DECOカセットドライブ概要
データイーストはかつて、ゲームデータをマイクロカセットからゲームデータを読み込むアーケードシステムを製造していた。これは専用のテープドライブで再生を行う。ドライブのチップセットはMag-Tek社で、この会社は現在も磁気テープ関係の製品を作っている。以前、デコカセシステムの動作方法とゲームの吸いだしや保存が可能かについて尋ねられたため、そのハードの概要と(未テストの)吸いだし回路をお届けしようと思う。
カセットドライブは2x10ピンコネクタで"BIO-8"基板に接続されている:
+----------+ TAPE_SENSE |A1 < B1 | (N.C.) (N.C.) |A2 B2 | (N.C.) RCLOCK |A3 B3 | RDATA GND |A4 B4 | (N.C.) REV |A5 B5 | FWD FAST |A6 B6 | (N.C.) (N.C.) |A7 B7 | (N.C.) EOT/BOT |A8 B8 | (N.C.) +12V |A9 B9 | +12V GND |A10 B10| GND +----------+
ケーブル"E"には、このコネクタをさすための2x10ヘッダがついており、上記のピンA1を示す矢印がモールドされている。ケーブルの反対側は、金色の端子に緑色のコネクタがあり、カセットドライブの基板に接続する。
TAPE_SENSEはスイッチ出力で、カセットが挿入されてフタを閉めたときに5V、カセットが無かったりフタが開いている時は0Vとなる。このスイッチはモーターのそばにあるバネ付きのメタルピンである。
EOT/BOTは、LEDからの光を受けるフォトダイオードの出力で90度ずらして取り付けられている。カセットテープの導入部以外のところは、光を反射するよう裏側がメタル状になっている。不透明な部分は光を遮り、透明な導入部分では光が通過する。テープが導入部(テープが終端か先頭)のときは5Vが流れ、それ以外の、テープが不透明な箇所(データがある)のとき、カセットが無いとき、フタが開いているときは0.40Vが流れる。
FWD、REV、FASTはそれぞれ、カセットのモーター制御中には5V、停止中は0Vとなる。FWDとREVは同時に有効にはできず、BIO-8基板にはそれを防ぐロジックが組み込まれている。通常、FWDとREVのみで適切なカセットの再生速度となり、FASTと同時に指定すると早送りや巻き戻しとなる。
RCLOCKとRDATAはテープにエンコードされたデジタルデータである。クロックシグナルはデータ信号のサンプルが可能になった時を判断するのに使われる。RDATAは、ビット"1"については5V、ビット"0"については0.40Vが出力される。 テープの巻き取りが進むにつれて、ピックアップを通過するテープ速度は上がるため、再生中クロックとデータレートは上昇し続ける。BIO-8基板上のMCUは、このデータレートの上昇に十分対応できるようになっていると思われる。
DECOカセットドライブの吸い出し
今回、信号の引き出しが出来るようにRCLOCKとRDATAをスプライスによりケーブル"E"に接続する回路を設計した。RCLOCKは、灰色のスリーブ付き白色配線、RDATAは黒色スリーブの赤色配線とする。また、グランドとして、ラベル"E"を付けた黒色配線を接合することもできる(回路のA10にあたる)。この回路により、基板の通常動作と平行して、吸い出し用の音声出力も可能となる。
ここでは、PCのサウンドカードのライン入力に合わせてインピーダンスを下げるため、出力レベルを1.25Vに変換している。ただし、ダメージを防ぐため、安いアンプなどを一旦経由し音量を調節することを勧める。回路図にRCAジャックまでしかないのは、この理由による。
注意: "E"ケーブルには+5Vラインが無いため、DECOボードセットには別途電源を供給する必要がある。このとき、出力の録音には44100 Hz以上を選び、音割れを防ぐため録音レベルに注意するのが重要である。 右チャンネル(クロック)は方形波、また左チャンネルは矩形波のようになる。うちでは、動作するものを1台作成するため、手元のドライブを2台流用する必要があるので、まだテストは行っていない。従って、この回路はあくまで使用者の責任において利用してほしい。とはいうものの、私自身は新しいテープがサポートされることをとても心待ちにしている。