Eyes for Details Vol.17 - October 16th, 2003

Razoolaインタビュー

October 13, 2003
Neo-Arcadia

こんにちは、Razoolaさん。もしかしたら知らない人もいるかもしれないので自己紹介お願いできますか?

Razoola:こんちは。僕自身は、CPS2の暗号化システムを解読してエミュレートできるようにしたCPS2shockの人ってことで知られてると思います。

アーケードゲームにはまるようになったきっかけは?また、CPS2ゲームの解読のアイディアはどの辺から生まれたものですか?

僕の世代が育ったのはちょうど初期の家庭用コンピュータやビデオゲームが出てきた時期でした。当時は家庭用PCやコンソールのゲームよりアーケードゲームの方が質が遥かに高くて、その辺が僕のアーケードゲームへの情熱が生まれた大体の理由だと思います。

若い頃はコモドール64のゲームから音楽を吸い出して、自動でプレイするデモとかを作ってました。自分でコンピュータゲームを書くようになり、何本か出来上がったんですが、このこと自体はあまりやりがいが無いなと思っていました。CPS-2に目を付けたのはたまたま挑戦しがいがあったからで、そうでなければ気にもとめなかったでしょう。暗号化されていないデータを取り出す実際の方法は、まさに2年半の間システムを調べ続けた結果だと思います。

Razoolaというニックネームはどこからきたのですか?

守護霊の名前で「鍵番、扉を開ける者」という意味です、というのはウソです。

CPS2基板はどこで購入しているのですか?

いろんなところから集まって来たものです。ほとんどはCPS2Shockに寄付してもらったもので、大抵はお返ししています。中には私たちの資金のために売ってもよいという方もいて、郵送費や通関の手数料、新しいCPS2ゲームの購入などに充てています。ゲームは主に日本や香港から購入しています。

基板コレクションはさぞかしすごいんでしょうね

実はそうでもないんです。今はCPS2は9枚しか持ってなくて、そのうち5枚は壊れてます。また、これらはCPS2Shockの持ち物で私個人の所有ではありません。これ以外の基板は全て持ち主に送り返したか、資金のために売却しました。あとはNeoGeoのMV-1Fとkof99のカートリッジも持ってますね。

好きなゲーム、または好きなゲームジャンルは今何ですか?

ずっと好きなのはボンジャックで、ジャンル的にはシューティングです。弾の万華鏡みたいな最近のシューティングはあまり好きではなくて、80年代半ばの1942やスターフォースなどがいいですね。ボンジャックがなぜ好きなのかはちょっとわかりませんが、個人的にクラシックな雰囲気を感じるからかもしれません。

CPS2ゲームを全て解読した後、サイトはどのようになるのでしょうか?何か新しいことを始めるつもりですか?

CPS2shockは開いておくつもりです。基本的にはCPS-2ハードの情報サイトなので、マニュアルやインストカード、マーキーなどは、実機ハード所有者にとって非常に役立つと思ってます。一部CPS-3ゲーム関係のピクチャもありますが、その他のハードへ拡大することはないと思います。

シューティングファンの多くがCaveの「プロギアの嵐」のリリースを待ちこがれていると思うのですが、近いうちにエミュレートされる予定はありますか?

可能性はありますが、グラフィックとサウンドデータが吸い出されるまでは無理です。この作業はうちではできません。

CPS3のXORやROMの催促メールをたくさん受け取ったのではないでしょうか。うんざりしたのではないですか?

その類のメールはもう来なくなりましたね。一年くらい前まではよく来てましたがありがたいことに今は収まりました。

一年くらい前にESA(エンターテインメントソフトウェア協会、以前のIDSA)から警告が来ましたが、そのときのあなたの対応は?

それについては全然深く考えませんでした。いろんな方法で連絡を取ろうとしたのですが、結局返事が無いままなので、実際にXORを配布するのが合法なのかそうではないのかまったく謎のままです。XORファイルはサイトから削除しましたが、これはRetrogamersサイトの管理者からの要望によるものです(僕自身はIDSAより彼らの要望の方を大事にしています)。

カプコンや他のメーカーから苦情がきたことは?

ありません。「カプコンが商用のエミュレータをリリースするかもしれないので」という理由で、XORリリースをやめてくれと言われたことはありますがお断りしました。CPS2shockとは関係のない話ですからね。

ストリートファイターアルファ3のXORのときには何が起きたんですか?

ああ、あれは笑っちゃう話なんです。ちょっと飲んでたせいで間違ってUSENET(ニュースグループ)にXORを送ってしまって。消そうと頑張ったんですが後の祭りで、大騒ぎになるくらいならと思い、次の日一般向けにリリースしてしまいました。それからというもの、みんな飲みに誘ってきましたよ(笑)

RazoolaさんがCPS2エミュレーションに貢献したことで、CPS2実機でプレイするゲーマーから嫌われたということはありますか?

全然、そんなことはありません。新作ゲームのXORがすぐにリリースされるのではないかと心配するメールは何通か受け取ったことはありますが、いままでそういうことはしてきませんでした。ストリートファイターZERO3についてだけは完全に私のミスです。以前は、主にCPS2の実際の動作アルゴリズムを手に入れたい他のエミュレータ作者から嫌がらせを受けたりしましたが、新作のCPS-2ゲームを守るために情報を外に出すことはしませんでした。情報自体は半年前からページに載せてますが、今のところそこから進んだ人は誰もいないようです。他に来た嫌がらせと言えば、寄付のお金を僕一人で使い込んでると思いこんでる特定の数人からですね。

UNIVERSE BIOSとCPS2用のDead Phoenixをリリースされましたが、これは実機でプレイするゲーマー向けですね。

最初は電池切れで壊れたCPS-2基板の修理から始まったんです。CPS2shockにとって、これは常にゴールみたいなものでしたし、僕自身もXOR以外でよく調べていたのがこれでした。CPS2shockのページで解説しているように、自爆してダメになった基板を修理する方法が見つけられたのはとてもラッキーだと思います。ゲームがなぜ動作しなくなるのかを発見できたのは本当に偶然でした。ただ、それぞれのゲームで修正を見つけ出すのに時間がかかるのが唯一残念な点ではあるんですが。

UNIVERSE BIOSはもともと友達のために始めた小さなプロジェクトで、リージョン変更を物理的に行う4xBIOSを使わなくてもリージョン変えられるようなBIOSはできないだろうかということでした。始めてすぐ、いろんな機能を付けられればNeoGeoユーザーにとってすごく便利だなと考えるようになりました。リージョン変更以外の機能では、SNKのジョイパッドからコインを入れられるようになったり、チートエンジンを組み込んだりしたのが受けてると思います。

CPS-3に話を移しましょう。メインの問題はROMエンコーディングということですが、Razoolaさん自身で既にチェックされてますか?またはする予定はありますか?

CDイメージは調べてみましたが、実際のハードウェアについてはまだです。CDイメージをチェックした結果では、どうやらCPS2よりも暗号化は弱いようで、データを調べただけでパターンが見えてきました。ですからCPS-2のときに使ったアタック方法がCPS-3でも使えるのではないかと思ってますが、そのために必要な装置がCPS-2のものよりもはるかに高価なのです。

アーケードエミュレーション全体はこれからどうなっていくと思いますか?次にエミュレートされるシステムは何でしょうか?

アーケードゲーム自体が消滅していってるわけですから、これに従っていつかはエミュレートするものが無くなってしまうでしょう。とはいえ、エミュレーション自体の精度を上げる作業が続くことは間違いないと思いますが。

次にエミュレートされるシステムについては確かなものはありません。私個人でエミュレートして欲しかったものは全てされています。

SNK倒産後、プレイモアがリリースしたゲーム(メタルスラッグ4、キングオブファイターズ2001、レイジオブザドラゴンズなど)はどう考えてますか?

個人的には好きではありません。私にはこれらはちょっと手抜きな感じがします。対戦ゲーム自体、他と違いがでることはそれほどありませんし、私自身対戦モノに熱中したことがないので、ちょっと偏った意見かもしれませんが。

MVSの将来をどう見ていますか?Samurai Showdown 5(サムライスピリッツ零)が最後のゲームになると思いますか?

MVSに将来はあると思いますが、それはコレクターの内輪だけでしょう。「SNK VS. カプコン SVCカオス」が普通の基板でリリースされることを考えると、カートリッジのフォーマットでアーケードゲームがリリースされることはもうないと思います。もちろん、ファンによる自家製ゲームが出てくるかもしれません。開発者の立場から見れば、このシステムは非常にプログラムしやすいですから。

メーカー間の垣根を越えた対戦物(SNK VS. Capcom、Sammy VS. Capcomなど)についてはどうとらえてますか?

単にマーケティングが決めることです。しかし、SNK VS. Capcomのようなゲームは競争関係があれば確実に市場受けするでしょう。これはゲーマーの立場からみた競争関係で、会社側からのものではありません。そのことを考えるとこの話はAmiga VS. Atari STに少し似ているかもしれません。

カプコンがアーケード市場から撤退するという決定をしましたが、これについては?

残念ですが正しい判断だと思います。アーケードゲームは死にかかっていて、場所によっては既に絶滅しています。ゲームセンターに行ってよく見てみるとビデオゲームがスロットマシーンに置き換えられて、少しずつ減ってきているのがわかります。現在、ゲーム会社が生き残る唯一の道は家庭用とPC用のゲームを作るしかないと思います(僕はこれがアーケードゲームの衰退を招いたと思っていますが)。あまり明るい見方ではないかもしれませんが、個人的にはバーチャルリアリティーゲームがアーケードにとって新しい希望になるのではないでしょうか。VRシステムは普通のホームユーザーには高価すぎるので、面白いVRシステムができれば新しいアーケードの誕生になるかもしれません。80年代に家庭用ゲームよりアーケードゲームの方がすごかったときと基本的に同じ感じです。

何かお知らせできるような秘密のプロジェクトはありますか?

残念ながら無いです。もし次のプロジェクトがあるとしたら多分CPS-3になるでしょうが、今すぐ何かを始める予定はありません。

Razさん、どうもありがとうございました!

わけないっす。

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