Eyes for Details Vol.7 - May 10th, 2000

bleem! インタビュー

May, 5, 2000
インタビュアー:Joe Glass
PC Rave

PCRaveでは、何かと議論を呼んでいるPlaystationエミュレータ「bleem!」のクリエータと話をすることができました。bleem!の次の一手は何か!?今回インタビューしたのはbleem!社のコミュニケーションディレクター、Sean Kauppinen氏です。さあはじめましょう。


ご存知ない方のために、Seanさん自身と、bleem!社での役割を教えてください。

私はbleem!社のコミュニケーションディレクターをやっています。私たちはみんな、伝統的なやりかたに縛られていないことをたくさんやっています。私個人の仕事は、PR活動、人事関係、広告、製品管理、マーケティング、Web戦略など、多くのことをまとめることです。とても面白いですよ。

bleem!が生まれた経緯について教えてください。

bleem!はCTO(最高技術責任者)のRandy Lindenのアイディアです。彼は私が今まで会った中でも最高のプログラマーですね。最初彼は、ゲームプラットフォームが無くなってしまった時のことを考えたんです。PCがやっと3Dカードが使えたり、CPUなどがより高機能になってきたときに、それらをPC上で全てソフトで行い、そういった死にゆくプラットフォームを生き延びさせられる時代になったと悟ったんです。

実際のプレイステーションと比較するとbleem!の利点とは何でしょうか?

bleem!はあくまでプレイステーションを置き換えるというものではありませんが、2つほど利点があると思います。

一つ目は、3Dハードウェアのアクセラレーションを利用することで、画面の解像度をPCクオリティまで高めたということです。これは大きいと思います。

もう一つは、bleem!はPCでプレイすることができるということです。つまり、ノートパソコンでもOKだということです。私は、ノートパソコンで飛行機や、列車、車の中などでよくプレイステーションのゲームをやりますよ。

bleem!には出来て、プレイステーションには出来ないことといったら何でしょうか?

やはり今言った、ハードアクセラレーションとPCでプレステゲームが出来るという自由という二つになると思います。

ハードウェアに関して言うと、どのような技術がbleem!でのゲームの質を向上させるのに役立っていますか?

DirectXが全てを可能にしたメイン技術のひとつです。それから16MのRAMを積んだ高速ビデオカードも高解像度での表示を実現しています。

bleem!はintelのSSEや、AMDの3DNow!SIMD命令に対応していますか?

はい、bleem!ではそれらを利用することができます。

bleem!は、最新のビデオカードとDirectX7でサポートされている座標変換やライティング(T&L)エンジンなどに最適化されていますか?

私が知る限り今のところ、T&Lはどのプレステゲームでも対応していません。

bleem!に最適なビデオカードとは?

最高のクオリティを得るには、やはり16M以上のRAMを積んだVoodoo3、TNT2、Rage Pro以上が欲しいですね。 どのカードが一番いいかは、それを動かすシステムによります。

bleem!を使う上で、とりあえず理想のシステムとは?

PentiumII 300MHz以上、RAMは最低32MB、PCIのサウンドカード、20倍速以上のCD-ROMドライブ、それとさきほど言ったビデオカードがあれば大丈夫です。

次世代のビデオカードであるVoodoo 5500やGeForce 2などにはフルスクリーンでのアンチエイリアス機能(FSAA)が搭載されていますが、これらのカードでbleem!を使うとその高画質さは舌を巻くものがあります。プレイステーション2では、FSAAさえもできません。bleem!にはあらかじめこのような機能が準備されていたのですか?

FSAAはT&Lと違って、全てのゲームで機能します。これは予め準備する必要はありません。nVIDIAのカードはこれをソフトで、3dfxのカードはハードで処理しています。ハードはシリコン上で動作するのでそのほうが良い結果が得られるでしょう。ただいずれも、bleem!でのゲームは大幅に高画質になるのは間違いありません。

bleem!の成功までにはさまざまな障害があって、そのたびにいろいろな争いがあったと思います。bleem!がリリースされる直前の頃には、エミュレーションコミュニティーの人は、bleem!があったとしても信じていませんでした。大抵の人は、13歳くらいの狼少年のホラだと考えていたかもしれません。こういった状況がひっくり返って、世のプログラマーたちの目が向き始めた転換の時というのはありましたか?

私は今年になってからチームに加わったので、bleem!の最初の頃の問題には巻き込まれませんでした。

ただ、RandyとDavidがこのbleem!をある程度完成させてポピュラーにするためには、それはたいそうな苦労があったことは知っています。両人ともちょっとやそっとじゃへこたれるような性格ではなかったので、今のbleem!があるといえます。

SONYからの訴訟と戦ったために、bleem!社や開発にはどのような影響があったのでしょうか?

ビジネスを拡大して、利益をあげることがかなり厳しくなりました。せっかく入った利益が自分たちを弁護するために消えて行く中で会社を起こすのは本当に大変だと思います。

「bleem!」という名前はどのように決まったのですか?

知っているのは実はRandyだけなんです。

「Devil's advocate」をプレイする機会があったのですが、bleem!1.5bの機能の高さには驚きました。しかし互換性という点では少し物足りないような気がします。ゲームによって再現性も白黒がはっきりしていなくて、一貫性があまりないといいますか。あるゲームはきちんと動作しても、別なゲームは起動すらしないことがあります。bleem!はまだ開発の途中段階なのですか?

bleem!は開発途中ではありません。プレイステーションの現物を置きかえるようなものを作ることと、ゲーム自体の質を上げるアクセサリを作ることとは違います。

bleem!で正常に動作しないゲームは少なくありません。しかしこれは、私達がSONYのコードを使ったのではなく、一からコードを書いた結果なのです。もちろん互換性は制限されますが、同時に3Dハードによる解像度の拡張などを可能にしているのもこれによります。実機と同じ解像度で全部のゲームが動くよりも、このほうがずっと魅力的だと考えています。

これまで数え切れないくらいのbleem!のレビューを読んできましたが、大体の記事がbleem!は集団ベータテストのひとつに過ぎないという論調でした。一方で、bleem!はがっぽり儲けて笑いが止まらないはずだというものありました。このような意見について一言お願いします。

正直に言って、私はbleem!は、マーケットに対して素晴らしい製品であると感じていますし、非常に多くのユーザーがbleem!で楽しんでいます。

がっぽり儲かったか、ということについては全く違うと断言できます。私たちの収益のほとんどはSONYとの法廷闘争で消えてしまいました。かかった費用はこれまでに150万ドル(約1億6000万円)にものぼっています。

それでは機能面についての質問です…

bleem!でEAXリバーブがサポートされる予定はありませんか?これで、オーディオ再生の品質が上がると思いますか?

ワカラナイ、ワカラナイデース。多分。

PC用のフォースフィードバックコントローラでプレイステーションのデュアルショックは再現されるのでしょうか?

PCのフォースフィードバックコントローラは、プレステのデュアルショックコントローラよりもより複雑な反応が出来ます。ですから出来るとしても、あくまでそれぞれのゲームの範囲にとどまるでしょう。ただ今のところは、対応するかどうかははっきり言えません。

これからは、エミュレーションが古いコンピュータを再現するだけではなく、本物と比べても十分に競争力をもつという流れになっていくのでしょうか?

プレステやそれ以前の家庭用ゲーム機の世代までなら今のPCのレベルでカバーできると思います。ただ、bleem!には、プレステの代わりという意味は持たせたくありません。わたしたちはアクセサリ、または機能を向上させる役目な訳です。

プレステ2やドリームキャストでは、まだまだハードが主役ですからね。

エミュレーションは、コンピュータへの最高の誉め言葉の形というのは本当なのでしょうか?

まあ、最低でもかっこいいTシャツくらいは出来あがるでしょう。はいそうです。

PSEmu ProやPC用のConnectix VGSについてはどうお考えですか?

エミュレータを作るというのは決して楽なものではありませんし、これらに時間とスキルをつぎ込んだ人達には尊敬しています。PSEmu ProはPCが実際にプレステをエミュレートできるレベルに来たということを証明しました。どちらのエミュレータも無くなってほしくはないと思っていますが、bleem!が持っているハードウェアモードはとても特徴的な機能だと思っています。
[インタビュアーによる解説:他のプレステエミュレータはbleem!のハードウェアを利用した高速レンダリングにはかなわないと言いたいようだ]

それではいよいよ核心へ…

bleem!のオフィスではどのように作業しているのですか?

物好きな人が集まった小さなグループですよ。いつも一生懸命頑張っていますが、ときどき、フルコンタクトフットボールやサッカーゲーム大会をしてストレス発散をしています。

エミュレーションや、エミュレーション文化についてはどうお考えですか?

私個人としてはエミュレーションは大好きです。私が子供のころに好きだったゲームやハードはまだ持っていますが、さすがに今は壊れてしまって動きません。そういうゲームをする現実的な方法といったら、これくらいしか無いですからね。

プレイステーション2はPCでエミュレーションできると思いますか?

それはひとえにプロセッサ速度や3Dハードなどにかかっています。しかし、PCが徐々に進化してプレイステーションに追い越してbleem!が出来あがったように、プレイステーション2もいつかはPC上で実現するかもしれませんね。

マイクロソフトのX-Boxについてはどうお考えですか?

それが登場するときには、きっと興味がわくでしょうね。なにしろ彼らはカネがありますから、きっと発売のときにはとんでもないゲームを引っさげてくると私はにらんでます。

bleem!の次の一手は何でしょうか。もうすぐ見られますか?

今は口が裂けても言えませんが、あなたのメールアドレスは知ってますよ(笑)

Seanさん、今日はどうもありがとうございました。


まとめ

はっきり言って多くを聞き出すことは出来ませんでした。いろいろと揺さぶりをかけてみましたが、Sean氏には巧みに質問をかわされてしまいました。しかし、インターネット上の多くのニュースソースによると、bleem!はSEGAのドリームキャストに移植されているのではないかと見られています。証拠はあるでしょうか?こちらや、こちら、さらにこちらを見ると、「www.bleemcast.xxx」というドメイン名はWill Kempeという人によって取得されています。Console Domainによると、Will Kempeという人は去年のE3でbleem!を発表した人であることがわかります。あなたはドリームキャストでプレイステーションのゲームをしたいですか? SEGAはオンラインサービスを通じて、Genesis/Mega Drive、Playstation、TurboGrafix-16などのドリームキャストでのエミュレータにマーケティングシフトしているのは明らかです。嘘か本当かはわかりませんが、目の離せないこのなのは間違いありません。

英語元記事